山下内科クリニック院長の山下です。当院では出口便秘を含めた便秘外来を実施しています。新しい治療ですが副作用もなく子供から老人まで実施することができ安全な治療法です。今後コラムの中で、この治療法について詳細を説明していきます。まず今回は、「意外と多い出口便秘」です。
令和元年の国民生活基礎調査によれば、日本人で便秘に悩まされている方の割合は男性25.4%、女性43.7%です。全体には圧倒的に女性が多いですが、65歳以降は男女とも増加しており、男性で64.1%、女性で72.3%の方が便秘に悩まされています。しかし、毎日排便があっても出口の便秘の方がかなりいて、日本人で便秘の方は意外と多いのではないでしょうか。
出口の便秘とは、直腸性の便秘と言われて来たもので、排便後も直腸・肛門に便が残り、出残った便が溜まってしまう便秘のことです。毎日排便があっても出口の便秘の方というのは、排便後にも出残った便が直腸・肛門に有り、食事をするたびに胃結腸反射で腸が動くことにより排便が毎食後に少しづつ有るという方のことです。自分は便通は毎日数回あって便秘ではないと思っている方の中に出口の便秘の人がいるのです。ある肛門科の先生によると、痔の患者さんの9割が毎日排便のある人とのことです。診察すると出口(直腸・肛門)に便がしっかり残っている方ばかりと言われます。
このように見てくると、日本人の多くの方が便秘であり、実はその内、便秘の約8割が出口の便秘であるということなのです。したがって、出口の便秘に着目した治療をしないと便秘治療はうまくいかないということになります。
山下内科クリニックでは出口の便秘に着目した新しい便秘治療(ある座薬を使用)を提供することができます。