山下内科の山下です。今回は「出口の便秘を治せ」です。
そもそも、便秘にはおなか(大腸)の便秘と出口(直腸・肛門)の便秘があります。実は、便秘の方の多くの方が出口の便秘で苦しまれているのです。それに対して、おなかの便秘は大腸の中に便が留まった便秘のことで、一般的に認識されている便秘はこのおなかの便秘ということになります。
では、出口の便秘とはいかなるものでしょうか。便が直腸に到達すると起こる排便反射が弱いために便を出し切れず、便が直腸や肛門内にとどまってしまうのを出口の便秘と言います。日常生活で便意を我慢することを繰り返し、直腸や肛門が便のある状態に慣れて便意を感じにくくなったことが原因です。
そして、出口の便秘がある場合は、腸活をしたり下剤を使ってもうまくいかないことが多いのです。大腸は便をつくっている場所なので、これからつくられる便には腸活や下剤は効きますが、すでに出来上がって出口(直腸・肛門)に下りている便や、ましてや出残って水分が吸収されて硬くなった便には効きません。したがって、出口の便秘に着目して対処していかないと、便秘治療はうまくいかないということになります。
例えて言えば、便秘は高速道路の渋滞のようなものです。インターチェンジの出口が渋滞(出口便秘)すれば高速道路全体は渋滞する。インターチェンジの出口の渋滞(出口便秘)が解消すれば、全体の高速道路の渋滞も解消する。いくら車のスピードを上げても渋滞はますますひどくなります。したがって、出口のつまり(出口便秘)を治せば多くの便秘は改善することになります。
当院では出口の便秘に着目した新しい便秘治療法(ある座薬を使用)を提供することができます。