名古屋市瑞穂区の内科・消化器内科

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出口便秘

[ 出口便秘から鈍感便秘へ ]

  山下内科の山下です。今回は「出口の便秘から鈍感便秘へ」です。

出口の便秘の成り立ちについて説明していきましょう。便が直腸に到達すると起こる排便反射が弱いために便を出し切れず、便が直腸や肛門内にとどまってしまうのを出口の便秘と言います。日常生活で便意を我慢することを繰り返し、直腸や肛門が便のある状態に慣れて違和感や便意を感じにくくなったことが原因です。

直腸や肛門に残ったたくさんの便は、次の日に持ち越しとなり、水分がとんで硬くなります。この出残った便は、出始めの便は硬く後半は柔らかい便となり排泄が困難となります。こうした出残り便が溜まる習慣が続きますと、徐々に出残り便に対して感覚がマヒしてきて、便意を感じにくくなるのです。次第に2日分の便が溜まらないと便意が生じなくなり、3日分の便が溜まらないと便意が生じなくなり、2日に一回の排便になったり、3日に一回の排便になったり、時には7日に一回の排便になってしまうのです。ここでは、こうして便意が弱くなっていくことを鈍感便秘ということにします。出口便秘がひどくなると鈍感便秘になるのです。

本来、正常の排便では、排便時に直腸・肛門に便が下りてきて、排便後は直腸・肛門には便のない空っぽの状態になります。直腸・肛門は便の通り道であり、便を溜める場所ではないのです。したがって、排便時以外は便のない空っぽの状態が正常です。

これまで空っぽにしておくべき肛門・直腸に便を溜める訓練をして来てしまい排便のサインを出す肛門の神経を鈍化させ、ますます便を積み重ねるようにした結果がひどい便秘になってしまったということです。麻痺してしまった肛門の神経を目覚めさせるには「常に肛門を正常な空っぽの状態に戻してあげる」必要があります。出残り便を座薬で強制的に出して空っぽに状態を保つ作業が有効であるということです。

 当院では出口の便秘に着目した新しい便秘治療法(ある座薬を使用)を提供することができます。

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