山下内科の山下です。今回は「糖質を控える」です。
この度、当院では、便秘治療、特に出口の便秘(直腸・肛門)に着目した新しい治療法(ある座薬を使用)を提供することができます。この治療法により、副作用なく治療が進められ、便秘は改善していきます。
しかし、注意しなければいけないことは、便秘というのはは出口の便秘を治しつつ、良い便をつくる生活習慣の改善で良くなっていくということです。良い便をつくる生活習慣とは食事・運動・睡眠・ストレスなどの改善のことです。便秘解消には総合戦略で行く必要があるのです。それでは、食事の改善についてです。
糖質はエネルギー源として必要であるため、最低限摂ることは必要です。血糖コントロールホルモンであるインスリンの働きが正常なら、食事からの糖はすぐに、特に肝臓や筋肉の細胞内に取り込まれて、血糖値は上昇することがありません。しかし現代人は糖質を摂りすぎているため、このインスリンの働きが悪くなりインスリン抵抗性の状況に陥っている人が非常に多いです。血糖値が上昇した状態が長く続くと、糖質が体内のたんぱく質のアミノ酸、脂質、DNAにくっついてしまい、終末糖化産物(AGEs)という物質をつくりだします。AGEsは細胞の表面にくっついて慢性の炎症を引き起こします。細胞の慢性の炎症は、体が酸化してしまう状態、さびてしまう状態になってしまうのです。
体の慢性炎症は、甲状腺ホルモンの低下をもたらし、その結果便秘という症状に結びつきます。又、食事から入ってくる過剰な糖質は炎症反応を誘導する腸内細菌を増大させます。その結果、腸管そのものの炎症が便秘を来たすことにもなるのです。
したがって、腸内環境を良くするためにも、ゆるやかな糖質制限が必要になります。大まかな目安として各食事ごとにお茶碗一杯のご飯を摂ると良いでしょう。制限すべき糖質はスナックや清涼飲料水などになります。
勿論、ゆるやかな糖質制限とともに、筋力トレーニングをして、糖質を代謝できる筋肉量を増やしていく必要があります。
当院では出口の便秘に着目した新しい便秘治療法(ある座薬を使用)を提供することができます。