山下内科の山下です。今回は「概日リズム(サーカディアンリズム)とは」です。
この度、当院では、便秘治療、特に出口の便秘(直腸・肛門)に着目した新しい治療法(ある座薬を使用)を提供することができます。この治療法により、副作用なく治療が進められ、便秘は改善していきます。
しかし、注意しなければいけないことは、便秘というのはは出口の便秘を治しつつ、良い便をつくる生活習慣の改善で良くなっていくということです。良い便をつくる生活習慣とは食事・運動・睡眠・ストレスなどの改善のことです。便秘解消には総合戦略で行く必要があるのです。それでは、睡眠等の改善についてです。
概日リズムとは生物に存在する約24時間周期のことでサーカディアンリズムとも呼ばれています。これは、睡眠の周期や体温・自律神経・免疫系・ホルモン分泌などの調整を担っているものです。睡眠不足だけでなく、概日リズム(サーカディアンリズム)の乱れも腸内環境の乱れをひきおこします。
睡眠にスムーズに入るためには、脳内に分泌されるメラトニンという物質が上がってくる必要があります。メラトニンは脳内の松果体という組織でセロトニンを代謝して合成されます。メラトニンは覚醒状態から入眠に導く作用があり、睡眠ホルモンともいわれています。メラトニンは目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると分泌が始まります。その後夜中にかけて徐々に分泌量が増加していき、再び夜明けになるにつれて低下します。朝目覚めて、目に光が入るとメラトニンの分泌が停止されます。睡眠のリズムを一定にするために目覚めてからなるべく早く自然光である太陽光を見るように心がけてください。(但し、直射日光に顔を向けるときは目をつむって下さい。)
目から光が入ることによってメラトニン分泌が停止してしまうために、夜間になるにつれてなるべく明るい光を目に入れない工夫をする必要があります。具体的には深夜になるにつれて光量を落とすように照明を調整する必要があります。そしてなにより避けなければいけないのはブルーライト(青色光)を目に入れ過ぎることです。スマートフォンやパソコンの画面、LED照明にはブルーライトが入っていますのでそれらを凝視することにより、目に大量のブルーライトを入れることになります。夜にブルーライトを浴びると脳は昼と判断し、体内時計に作用して睡眠を促すメラトニンの分泌を抑制してしまい、入眠障害の原因になります。
眠る前の1~2時間前にスマートフォン、パソコン、テレビを見るのをやめて、眠る時も完全に照明を消して眠ることがメラトニン分泌を安定させて睡眠周期を維持するうえで重要です。
当院では出口の便秘に着目した新しい便秘治療法(ある座薬を使用)を提供することができます。