便秘にはおなか(大腸)の便秘と出口(直腸・肛門)の便秘があります。おなかの便秘は大腸の中に便が留まった便秘のことで、一般的に認識されている便秘はこのおなかの便秘ということになります。
では、出口の便秘とはいかなるものでしょうか。便が直腸に到達すると起こる排便反射が弱いために便を出し切れず、便が直腸や肛門内にとどまってしまうのを出口の便秘と言います。日常生活で便意を我慢することを繰り返し、直腸や肛門が便のある状態に慣れて便意を感じにくくなったことが原因です。実は、この出口の便秘は予想以上に多いことがわかってきました。

出典:看護roo! 便秘別・上手な下剤の使い方 佐々木みのり著
出口の便秘がある場合は、腸活をしたり下剤を使ってもうまくいかないことが多いのです。大腸は便をつくっている場所なので、これからつくられる便に対しては腸活や下剤は効きますが、すでに出来上がって出口(直腸・肛門)に下りている便や、ましてや出残って水分が吸収されて硬くなった便には腸活や下剤は効かないのです。したがって、出口の便秘に着目して対処していかないと、便秘治療はうまくいかないということになります。
当院では、便秘治療、特に出口の便秘(直腸・肛門)に着目した新しい治療法(特殊な座薬を使用)を提供することができます。この治療法により、副作用なく治療が進められ、便秘は改善していきます。便秘で悩まれている方は、是非、当院の便秘外来を受診してください。
しかし、ほとんどの便秘は出口の便秘を治しつつ、良い便をつくる生活習慣の改善で良くなっていきます。良い便をつくる生活習慣とは食事・運動・睡眠・ストレス管理など生活習慣のことで、この改善が大切になります。便秘解消には総合戦略で行く必要があります。 出口便秘について及び、食事・運動・睡眠・ストレス管理などの生活習慣の改善については、順次、院長コラムに掲載していきます。
尚、当院での便秘外来の診療は、すべて健康保険で行います。したがって経済的な負担は少なくて済みますのでご安心ください。
それでは、根本的に便意を回復させ排便力を高める生活習慣の改善について示しますので、参考にしてください。
<便意を回復させ排便力を高める生活習慣のまとめ>
[体に悪いものを摂取しない]
グルテンフリー・カゼインフリー(小麦製品、乳製品を避ける)
砂糖の過剰摂取を減らす。果糖ブドウ糖液糖、人口甘味料を避ける。
食品添加物の多い加工食品もできるだけ減らす。
サラダ油を使った炒め物や揚げ物を減らす。
間食は、超加工食品とよばれるスナックやお菓子類、清涼飲料水などは控える。
[ 体に良いものを摂取する ]
一日3食しっかり食べる。和食が良い。
たんぱく質と食物繊維をしっかり摂る。特に朝食が大事でしっかり摂る。
主食はご飯で、可能な人は玄米か分づき米(五分づきか七分づき)が良い。
水溶性食物繊維を意識して摂る。ひじき・寒天・のり、わかめ・昆布・もずくなどの海藻や、オクラ・長芋・里芋・アボガド・ごぼう・りんご・いちごなど。
汁物として、野菜や海藻などの具沢山の味噌汁がおすすめ。
野菜サラダを摂ることもおすすめ。(レインボーフーズと言われる色とりどりの野菜)
日本人になじみの味噌、醤油、納豆、漬物やキムチなどの発酵食品はおすすめ。
体に良い油としては、オメガ3系脂肪酸のえごま油、アマニ油、青魚が良い。
間食は果物、甘栗、干し芋、焼き芋、ナッツなど原材料のわかる自然のものが良い。
[ 水分の摂り方 ]
浄水器を通した水道水を一日に、1.5リットルくらい摂る。
のどが渇かなくても、時間を決めてボトル(ステンレス製)に入った水を飲む。
麦茶、十六茶、爽健美茶、ルイボスティーなどのカフェインレスの飲み物も良い。
[ ウォーキングのすすめ ]
1日6000~8000歩、30分~50分位のウォーキングが有効である。ウォーキングのようなリズム運動は便の腸内通過時間を短縮させる。
筋トレも良い。筋肉量の多い人は便通が良くなることが多い。
[ 睡眠等の便通改善の習慣 ]
湯船にゆっくりと肩までつかりリラックスする。入浴剤としてエプソムソルトはおすすめ。
睡眠時間は7~8時間とし、早寝早起きとする。
就寝時間の2~3時間前までには夕食を終え、寝るまでは食べないようにする。
食事と食事の間を8時間以上空けると(特に朝食後)、大蠕動という便を出口に輸送する蠕動運動が活発化する。そして大腸内を強力にクリーニングしてくれる。
そして、朝起きたら水を飲み、朝食をしっかり摂ることにより、胃・結腸反射(食べ物が胃に入ると腸が動く神経反射)が起こり、大蠕動が引き起こされて便意が生じやすくなる。
便意がなくても毎朝トイレに行く習慣をつけることが大切。又、便意は我慢しない。
眠る30分~1時間前にはスマートフォン、パソコン、テレビを見るのをやめて、眠る時も完全に照明を消して眠る。そして深い睡眠に導かれる。